ペットからうつる病気(動物由来感染症)と予防のための接し方
この記事のポイント
- 犬や猫は、自分は病気にならなくても、人に病気を起こす病原体を口の中や体に持っていることがあります。
- 代表的なものに、パスツレラ症、猫ひっかき病、カプノサイトファーガ感染症、トキソプラズマ症、マダニが媒介するSFTSがあります。
- 口移しでエサを与える、口元をなめさせる、一緒に布団で寝るといった過剰な触れ合いは避けます。
- 動物に触ったら流水で手を洗い、ふん尿はすぐに片付け、寝床やタオルを清潔に保ちます。
犬や猫と暮らすうえで知っておきたいのが、動物から人にうつる病気(動物由来感染症)です。動物は自分は症状が出なくても、人に病気を起こす病原体を持っていることがあります。ここでは、厚生労働省の「動物由来感染症ハンドブック」をもとに、犬や猫から人にうつる代表的な病気と、日頃の接し方をまとめます。
犬・猫からうつる代表的な病気
| 病気 | うつり方・特徴 |
|---|---|
| パスツレラ症 | 犬や猫の気道や口の中に普通にいる細菌で、主に咬まれてうつるほか、飛沫からうつることもある |
| 猫ひっかき病 | ひっかかれて1週間前後で、傷の部分の発疹・水ぶくれや発熱。その後リンパ節が痛みを伴って腫れる。多くは数週間〜数か月で自然に治る |
| カプノサイトファーガ感染症 | 発熱・だるさ・腹痛・吐き気・頭痛など。まれに重症化し、敗血症などから死に至ることもある。患者の大半は40歳代以上 |
| トキソプラズマ症 | 猫のふんに出る原虫を口から取り込む(土いじりなどを介して)ほか、加熱不十分な肉からも感染。妊婦が初めて感染すると胎児にも感染するおそれ |
| 重症熱性血小板減少症候群(SFTS) | 主にマダニが媒介。発症した犬や猫から人にうつったと考えられる例もある(マダニ対策) |
日頃の接し方で予防する
過剰な触れ合いは控える
動物の口の中には細菌やウイルスがいることがあります。口移しでエサを与える、スプーンや箸を共用する、口や目元をなめさせることは避けましょう。動物と一緒にお風呂に入る、布団に入れて寝ることも濃厚接触になるので控えるよう勧められています。
触ったら手を洗う
動物の唾液や毛に触れた手で、知らないうちに自分の目や口、傷口を触ってしまうことがあります。動物に触ったら、流水で手を洗いましょう。
身の回りを清潔に
ブラッシングや爪切りなどこまめに手入れをし、寝床も清潔にします。タオルや敷物は細菌が増えやすいので、こまめに洗いましょう。ふん尿はすぐに片付けます。
咬まれない・ひっかかれないように
節度のある触れ合いを心がけ、咬まれないように気をつけます。咬まれたりひっかかれたりしたあとに熱や腫れが出たときは、そのことを伝えて医療機関を受診してください。
のら猫・のら犬や野生動物には安易に触らない
どのような病原体を持っているかわかりません。飼っている犬や猫のワクチンや寄生虫予防の時期は、予防カレンダーで確認できます。
出典
よくある質問
犬や猫と一緒に寝ても大丈夫ですか?
厚生労働省の「動物由来感染症ハンドブック」では、動物との入浴や布団に入れて寝ることは濃厚接触になるので止めましょうとしています。口移しでエサを与える、口や目元をなめさせることも避けましょう。
妊娠中に猫を飼っていても大丈夫ですか?
トキソプラズマ症は、妊婦が初めて感染すると胎児にも感染するおそれがあります。猫のふんを速やかに片付け、土いじりのあとや猫に触ったあとはよく手を洗いましょう。加熱が不十分な肉からも感染するので、食事にも注意が必要です。心配な場合は医師に相談してください。
猫にひっかかれたあと、熱が出ました。
猫ひっかき病は、受傷から1週間前後で傷の部分の発疹や水ぶくれ、発熱が出て、その後リンパ節が腫れることがあります。猫にひっかかれた・咬まれたことを伝えて、医療機関を受診してください。