狂犬病とはどんな病気?日本で発生がなくても予防注射が必要な理由
この記事のポイント
- 狂犬病はすべての哺乳類に感染し、人も動物も発症するとほぼ100%死亡します。
- 世界では年間約5万9千人が亡くなっており(WHO推計)、その95%がアフリカ・アジアです。
- 日本では人は1956年、動物は1957年を最後に発生がありませんが、近隣諸国ではまん延しており、侵入のリスクはゼロではありません。
- そのため犬の飼い主には、犬の登録と年1回の予防注射が法律で義務づけられています。
犬を飼うと、毎年の狂犬病予防注射が義務になります。「日本では狂犬病は出ていないのに、なぜ?」と思う方も多いでしょう。ここでは、厚生労働省の「狂犬病に関するQ&A」をもとに、狂犬病がどんな病気で、なぜ予防注射が必要なのかを整理します。
狂犬病はどんな病気?
- すべての哺乳類に感染します。人も例外ではありません。
- 発症するとほぼ100%死亡します。有効な治療法はありません。
- 主に、感染した動物に咬まれ、唾液の中のウイルスが傷口から入ることで感染します。人への主な感染源は犬です。
- 感染から発症までの潜伏期間は一般に1〜3か月で、1〜2年後に発症した例もあります。発症前に感染しているかどうかを診断することはできません。
犬が感染すると、極度に興奮して攻撃的になる「狂騒型」と、体の後ろから麻痺が広がり食べ物や水を飲み込めなくなる「麻痺型」があります。
世界と日本の発生状況
狂犬病は、日本・英国・オーストラリア・ニュージーランドなど一部の国を除き、世界中に分布しています。世界保健機関(WHO)の推計では、世界で年間およそ5万9千人が亡くなり、その95%がアフリカとアジアです。
日本では、人は1956年、動物は1957年(猫)を最後に国内での発生はありません。ただし、流行国で犬に咬まれて帰国・入国後に発症した例が、1970年(ネパール)、2006年(フィリピン、2例)、2020年(フィリピン)にあります。
なぜ犬の予防注射が必要なのか
厚生労働省は、日本国内に発生はないものの、近隣諸国ではまん延しており、日本への侵入リスクは皆無ではないとしています。万が一侵入したときに広がりを防ぎ、すばやく対応できるように、犬の飼い主には次の2つが義務づけられています。
予防カレンダーに誕生日を入れると、狂犬病予防注射を受ける時期の目安が年ごとに表示されます。
海外で動物に咬まれたら
流行国で犬などに咬まれた場合は、まず傷口を石けんと水でよく洗い、できるだけ早く医療機関を受診します。感染の可能性がある場合は、発症を防ぐためのワクチンを複数回、決められた回数接種します(暴露後ワクチン接種)。受診せずに帰国した場合は、最寄りの保健所か医療機関に相談してください。流行国に行くときは、むやみに動物に近づかないことが大切です。
出典
よくある質問
日本で狂犬病が発生していないのに、なぜ犬に予防注射が必要なのですか?
近隣諸国では狂犬病がまん延しており、日本に侵入するリスクは皆無ではないためです。人への主な感染源は犬なので、犬の登録と年1回の予防注射が飼い主の義務になっています。
狂犬病は治りますか?
発症すると有効な治療法はなく、ほぼ100%が死亡します。感染した動物に咬まれた疑いがある場合は、すぐにワクチンを連続して接種する(暴露後ワクチン接種)ことで発症を防ぐことができます。
海外で犬に咬まれたらどうすればいいですか?
まず傷口を石けんと水でよく洗い、できるだけ早く医療機関を受診してください。受診せずに帰国した場合は、最寄りの保健所か医療機関に相談します。